外国語面接の上手な乗り切り方

海外留学や転職の際の面の外国語での面接を上手にクリアするには?私のアメリカ・イギリス・ドイツでの留学・就活・転職経験からの面接対策ヒントと重要ポイントはこれ!

面接を上手にクリアしよう!

面接上手になるためには、まず自分が面接官になった場合の練習をするとよい。自分が面接官だったらまずどこに注目するか?どんなところが印象に残るか?どんな人な好感が持てるか?自分は応募者にどんな質問をするだろうか?まずは、相手の立場に立ってみること、そうすることによってこれから自分を待ち構えている質問や自分に期待されていることがはっきり見えてくる。

日本の面接と海外の面接は違う?

違う。めちゃくちゃ違う。第一に、日本の就活みたいに一辺倒なリクルートスーツで面接に行ったらまずそれだけで悪印象を持たれてしまう。つまらない、個性がない、見栄えがパッとしないというのはタブー。真っ赤なスケスケドレスで行けという意味ではないけれども、人間だれしも自分が納得できるものを着ていると、心地よさや自信が顔に出る。もちろん男性の場合はスーツなので女性ほど個性を服装によって表現できないけれども、それでもネクタイとシャツのコーディネートとか、靴が磨いてあるかとか、自分のサイズにぴったりのスーツであるかとか、細かい部分でちゃんと個性が光ることは間違いない。そう、個性や自分の趣向を正直に表すことは、日本の外に一歩出た瞬間から非常に大事になり、面接の場も例外ではない。

服装だけでなく、面接時の雰囲気も海外では日本と全然違う。面接は、面接する側がされる側に質問攻撃をする場なのではなく、お互いがお互いのことをよく知り合う機会なのだから、面接を受ける側もどんどん質問していいし、その会社のことを面接を通してよりよく知ることが大事。面接官と応募者は対等なのである。だから、会話も対等に行われなければならない。面接官の質問に答えるだけでなく、つっこみどころがあったら突っ込む。つっこむことによってその場の会話のテーマを掘り下げていく。誰だって、会話がどんどん進む人とは楽しいと感じるし、会話が途切れる人と話していても退屈である。”この人楽しい人だなぁ” と思ってもらえたらそれだけでまずプラス点。”いいとこ突っ込んでくるなぁ” と思われたらプラス2点。”この人と一緒に仕事したらいいことありそうだ” と思ってもらえたらその時点でハナマル付き合格点。

面接官のツボをしっかり押さえよう

ある世界的に有名な大企業が採用のための集団面接をアテネで行った。この大企業に職を求めて世界中から学生たち(それも世界各地でMBAを取ったばかりの学生たち)が集まってそれぞれ面接を受けた。一人のアメリカ人女学生がウケを狙って、面接室に入るなり ”カリメロ―!(ギリシャ語でこんにちは)” と明るく手を振ったら、その場の面接官たちの空気が一瞬にしてよどんだ・・・・という実話を聞いたことがある。”楽しい人だと思われたい一心” でこのアメリカ人学生はやったのだが、ヨーロッパの面接官たちにはまったくウケなかったどころか、悪印象となってしまったのである。つまり、自分がイメージする楽しい人・明るい人じゃダメなのだ!あくまでも、相手が喜ぶことを前提とした明るさや楽しさ・突っ込みが大事なのである。この女学生の場合、ヨーロッパ人の中にはアメリカ風の ”ハーイ!” を好ましく思わない人も多いということを知らず、アメリカ風をそのままやってしまったところに問題があった。自分らしさを表現するのはいいことだが、相手への印象をちゃんと考慮することも大切である。そのためには、相手のカルチャーやメンタリティーをちゃんと下準備することは不可欠だ。

世界に通用するユーモアのセンスを磨く

日本で面接というと真面目で固いイメージがあって、面接の場で冗談を言うことはあまり想定されないが、日本の外の面接では冗談を交えても大丈夫な場合が多い。ユーモアのセンスも頭の回転の良さの証拠なのである。ユーモアにはその人の人柄や考え方、社会性などが出る。ただし、国や言語によってユーモアの違いはあるから、自分の目指す国の社会的カルチャーや言葉の言い回しなどをしっかり勉強しておくことは必須だろう。その国の文学や時事問題に日ごろから接していると、その国自体のユーモアのセンスが見えてくる。

面接で絶対やってはいけないこと

それは緊張すること。面接はテストではない。応募者にかみついたり叱ったりする面接官はいないのだから、リラックスした状態で臨めばよいのである。自分が適正であるか、さらに向こうが自分に合っているかをお互いに品定めする場としての面接は、大いに品定めに使うべき。たとえ外国語の面接であっても、日本語をしゃべる場合と同じようにリラックスしていれば、自分の言いたいことは通じるし、相手の望むこともちゃんと見える。相手の言ったことが分からなければ、”もう一度言ってください” ”こういう意味ですか?” と聞き返せばいいだけの話で(日本語をしゃべっていて相手のことがよく聞き取れなかった場合と同じ態度で臨めばいい)、外国語であるからといって引け目を感じる必要は全くない。

さぁ、今からすぐに目指す国のカルチャーや文学、時事問題、ジョークなどを勉強して、面接官をしっかり魅了できるように頑張ろう!

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ABOUTこの記事をかいた人

大阪府出身。高校でテキサスの公立高校に1年留学、大学でカリフォルニア州UCSDに1年留学、西ドイツ銀行東京支店勤務後ロンドンビジネススクールでMBA。その後ブラウン社のドイツ本社で勤務、フランクフルト証券取引所に転職。現在フリーランスで国際コミュニケーション指導や通訳をする2児の母、フランクフルト在住。尊敬するのはイソップ寓話”アリとキリギリス”のキリギリス。子供が大きくなってきたので最近キリギリス業再開しました。