海外転職のための履歴書の書き方 3つのステップ

日本語履歴書を英語にしても通用しない

日本で使う履歴書は、いわば自分の歴史年表。いつどこに入っていつどこから出たかという事実を羅列してある。海外転職で英語の(もしくはその他の言語の)履歴書を作成する場合、日本式の歴史年表では通用しない。なぜかというと、海外転職の場合の履歴書とは、過去の自分を表すものではなく、未来の自分の姿を映し出すものであるべきだからである

採用担当者は、応募者のこれまでの経歴や特技を見て今後自分の会社に有力な人材かどうかを判断するのが仕事、つまり採用担当者の視点は未来にある。反対に、応募者の方は、履歴書に自分のこれまでのことを並べるので、視点が過去にある。なので、応募者は視点の転換をして、履歴書を “過去の事実から未来を示唆するもの” に作り上げなければ、採用担当者が読んだときにピンとくるもののない書類に成り下がってしまう。(履歴書に魅力がなければ、どんなに有能な人材でも、最初の書類選考で落とされてしまってせっかくのチャンスを逃すことになる!)新卒であれ転職であれ、これから海外で就職するには、まず履歴書で採用担当者のハートをつかむことが第一ステップである!

採用者をその気にさせる履歴書作りのための3ステップ

  1. 自分のやりたいことや就きたい職種を自分の中でまず明確にイメージする

  2. これまでの自分の経歴がどのように将来の自分に関連するのかを考える

  3. 自分の将来像に焦点を当て、それをサポートするこれまでの経歴をできるだけ詳しく、かつ簡潔に書く(重要ポイントを絞る!)

見知らぬ人が読んでも自分がどんな人なのかが具体的にイメージできる履歴書を作る

履歴書は就職の第一歩目として自分を自分でアピールする唯一の書類。最初の書類選考では、履歴書が自分のことを代弁してくれているわけだから、どんどん読み手に話しかけるような履歴書でなければならない。読み手が履歴書から具体的な人物像を想像できる、ということがポイントだ(それが間違った人物像でないかどうかは、履歴書を作成した時点で第3者に確認してもらうとよい。)要は、採用者が、”ああ、こういう人を探してるんだよな” とか、”この人、こんな感じかな、確かめるために実際に会ってみないとな” と思ってくれれば、履歴書はその役目を果たしたことになる。”いついつどこどこに入り、どこどこを出ました” だけでは具体的な人となりは浮かび上がってこない。

履歴書作成の際に知っておくべきこと

時間的空白を作らない

履歴書の中で時間的空白があると、採用者の注意がそこへそれてしまう。”この期間はいったい何をしていたのかな?” と思わせないようにするには、たとえ主婦業専念期であってもそれを書くべき。主婦業でも子育てでも失業期間でも、人間はそれなりに毎日何らかの学習をしているのだ。

課外活動は大いに書く

海外の採用者は勉強と仕事以外の活動も重要視する。クラブ活動や趣味などは具体的に記述し、それらの中でリーダーシップ的な立場にあったりした場合などはそれも特記する。趣味や課外活動から読み取れるその人の人柄や性格は大きい。

まずは日本語で下書きする

英語の履歴書をいきなり英語で書き始めないこと。日本語を母語とする人は日本語が思考回路の基盤だから、いきなり英語(もしくは他言語)で書き始めると思考回路が日本語の時のように作動しないことが多い。

絶対に自分自身で書く

履歴書代筆サービスなどもたくさんあるが、自分のことを一番よくわかっているのは自分のみ。他人が書いた履歴書では自分の人柄は表れてこないし、その人特有の匂いのしない履歴書は単なる紙っぺら。もう一度繰り返すが、履歴書は就職の際の最初の第一関門突破のための手段で、自分のことを代弁してくれる最も大事な書類なのである!一番大事なものは自作品に限る。

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ABOUTこの記事をかいた人

大阪府出身。高校でテキサスの公立高校に1年留学、大学でカリフォルニア州UCSDに1年留学、西ドイツ銀行東京支店勤務後ロンドンビジネススクールでMBA。その後ブラウン社のドイツ本社で勤務、フランクフルト証券取引所に転職。現在フリーランスで国際コミュニケーション指導や通訳をする2児の母、フランクフルト在住。尊敬するのはイソップ寓話”アリとキリギリス”のキリギリス。子供が大きくなってきたので最近キリギリス業再開しました。